第1条 エンジン
1.冷却装置
冷却装置が利用される場合、ストックの位置に取り付ける
こと。リアーエンジンのドラッグスターの種目ではディフ
レクターはフレームルーフからフレームの間に取り付けら
れること。また、ラジエーターがエンジンの前にマウント
されている場合のディフレクターは、ロールゲートのトッ
プまでの間に取り付けられること。
2.エンジン
自動車用エンジンに限る。参加者は、使用するエンジンの
正確な排気量を知らせる義務がある。競技中にエンジンの
排気童を変更した場合、走行前に参加者は技術委員長に報
告をする義務がある。全てのクラスにおいてクランクシャ
フトの中心は、地面から24インチ(60.96cm)を越えては
ならない。
3.エキゾースト
a.全ての車両は、排気を車両のボディーから車両の後方もし
くは側方へ向けるために排気管を備えなければならない。
ドライバー及び燃料タンクから離して、競技中における脱
落を避ける為に排気管は固定されていなくてはならない。
マフラーの使用があればそれらは排気装置と車両又はフレ
ームに安全に取り付けなければならない。クラスにより消
音器の取り付けを義務付けることもある。エキゾースト、
マニホールド、パイプ、マフラーについては自由。
b.排気管は、燃料系統に対して充分な防護措置を講じなけれ
ばならない。後方に向けた場合排気口の位置は燃料タンク
の中心線より後方に位置し、車体外側より突き出してはな
らない。
4.スロットル
スロットルペダルの操作はドライバー自身で行わなければ
ならない。電気製、空気圧、水圧が影響してはならない。
5.燃料方式
全ての燃料ラインは、金属又はステンメッシュでなくては
ならない。前方から後方へ最高で12インチ(30.48cm)ま
でのゴムホースが接続目的だけにおいて許されている。ド
ライバーが即座に手の届く所に燃料カットバルブがなくて
はならず、そして主要燃料ライン上に位置してなくてはな
らない。全ての燃料系統は、ドライバーの車室内部に設置す
ることを禁止する。
燃料タンクは、衝突時の破損に対処する為、囲いのような
もので保護する必要がある。又、ドライバーの車室内にガ
ソリンが入らないように、完全に装着された防火壁により
ドライバーの車室から隔離する必要がある。オープンボデ
ィーの車両は、全て燃料タンクキャップをワイヤーロック
することを条件とする。燃料タンクの最上部は、後輪の最
上部より下になくてはならない。
6.燃料
燃料は、各クラスによって規定する。
大会審査委員会及び大会競技長は、一般的効力を妨げるこ
となくレース開催期間中いつでも燃料検査を実施できる。
この場合の抗議は一切受けない。
7.燃料タンク
JAF公認安全撚料タンク及びNHRA(ナショナルホットロッ
ドアソシエーション)公認燃料タンクの使用を推奨する。
エアブリーザーがオープンになっている場合は、全てワン
ウェイバルプを目視できる位置に取り付け燃料が流出しな
いようにする。コレクタータンクの使用は最大21とする。
燃料の強制的な冷却は禁止する。
8.オイルキャッチタンク
競技車両でオーバーフロータイプのものはオイルがコース
に流出することを防ぐため蓄積できる確実な装置(キャッ
チタンク等)を備えなければならない。その装置の取り付
け方法は、針金やテープなどによる暫定的なものであって
はならない。オイルキャッチタンクの場合は気筒容積
2,000ccを含み、2,000ccまでの車は最低2 e、2,000ccを越え
る車では最低3eの容量を有さなければならない。外部から
内部の容量が確認できるようにすること。
9.オイルシステム
ウエットサンプ、ドライブサンプ、オイルフィルター、オ
イルラインは、ドライバーの車室内に位置してはならない。
オイルプレッシャーゲージとそのラインはドライバーの車
室内でも認める。ホースの最大は内径が3/16インチ(O.5mm)
まで。
第2条 駆動系
1.アンチプローバック装置
フライホイールがクラッチの爆発により、カバーもしくは
アダプターシールドが後方に飛ばされるのを防止する為に
補強もしくは保護装置が取り付けられる必要がある。
2.プロペラシャフト
ドライバーがリア・エンドのフランジ上もしくはその後方、
又はトランスミッション後方に位置する全ての車両はミッ
ション、ドライブシャフト、デファレンシャルを接続する
部分にユニバーサルジョイントを設け、これらのユニット
に0.120インチ厚のスチール板製の保護シールドが取り付け
られていなければならない。ジョイントにはカプラーを設
け、セーフティループを装備することとする。カプラーに
関しては最低0.063インチのアルミ製、セーフティループは
360.周囲を囲むUジョイントにて確実に固定すること。
セーフティルーフはユ÷バーサルジョイントから6インチ以
内とする。ループの形状は、楕円形より円形が望ましい。
オープンドライブラインにはドライバーの身体いかなる部
分にも蝕れてはならず最低O.125インチ厚のスチール板によ
って包まれフレームに確実に固定されていなければならない。
3.トランスミッション
競技に参加する全ての車両は、バックギアーを備えていること。
4.オートマチックトランスミッション
オートマチックトランスミッションシフターは、偶然にバ
ックギアーに入ってしまわないように仮固定するリバース
ロックアウト装置を備える必要がある。機能的なニュート
ラル安全装置は条件である。
第3条 ブレーキ、サスペンション
1.ブレーキ
a.各車両のブレーキはそのクラスにかかわりなく、ペダルの
「感触」をテストされなければならない。ブレーキは良好
な作動がなされなければならない。最低2機の油圧ブレーキ
が全ての車両に装備されていることを義務とする。マスタ
ーシリンダーはフレーム上部に置かれなければならない。
b.単一制御操作による二重制動装置を備えなければならない。
補助ブレーキなどの追加(付加)は許されない。但し、パ
ラシュートによる制御は許される。
制動灯の作動は任意とし、レンズ部には飛散防止対策を施
すこと。
2.駐車ブレーキ
装着する場合は左右同時にかつ確実に作動すること。
3.シックアブソーバー
全ての車両は、各ホイールに効力のあるショックアブソー
バーを備え付けなければならない。油圧もしくはフリクシ
ョンタイプのいずれかでなければならず確実に固定されて
いること。
4.ステアリング
各車のステアリングシステムは、コンディションを決定す
るために検査が行われる。ステアリングは安全かつ明白な
違いがあってはならない。遊びは最小であること。全ての
溶接部分には目に見える追加補強がなされてなければなら
ない。ステアリングは通常の動力システムでなければなら
ない。使用される全てのロッド・エンドは軸直径が最低3/8
インチでなければならず、ベアリング・プル・アウトを防
ぐためフラットワッシャーとともに設置されなくてはなら
ない。中空ロッドは禁止する。全てのステアリング・ギ
ア・ボックス、セクタ及びシャフトはフレーム又はクロス
メンバーに取りつけなくてはならず、いかなる場合もベル
ハウジング、ベルハウジング・アダプター・シールド、モ
ーター・プレート、あるいは防火壁に取り付けてはならな
い。これらは同一フレームの後部に取り付けることが望ま
しい。一般的な脱着式ステアリングも可能である。
5.サスペンション
全ての車両は、自動車メーカーの製造するタイプのフルサ
スペンションシステムを備えていなければならない。
6.ウィリーバー
ウィリーバーは、最長でリアの接合部分からウィリーバーの
最後部まで54インチ(137.2cm)以上であってはならない。
第4条 フレーム
1.アライメント
全ての競技車は安全かつ確実なホイール・アライメントを
設定し、いかなるスピードにおいても正確なハンドリング
が得られるようにされなければならない。
2.ディフレクタープレート
全ての競技車は、ディフレクタープレートを装備し、ドラ
イバーと燃料タンクをエンジンより守らなければならない。
3.フレーム
フレームは、ストック状態のモノコック製もしくはパイプ
フレーム製のものとする。パイプフレームに関しては、安全
性を充分考慮した構造でなければならない。全ての鋼材は
クロームモリブテン鋼とし38mmX2.5mm又は40mmX2mm
を最小寸法として厳守すること。少なくともドライバーコ
ンパーメントを形成するものに関しては出来るだけ強度
をもたせエンジンをストレスメンバーとして使用してはなら
ない。そして、全ての溶接部分は目に見える補強がなされ
ていること。溶接はベアリーク法で行い溶接点の研磨は禁
止とする。又、主催者の認めたものに関しては許可する。
尚、パイプフレームの車両は、その構造を主催者に知らせ
ることを義務とする。
4.最低地上高
車体の前部からフロント・センター・アクスルの12インチ
(30.48cm)後方までの間は、最低3インチ (7.6cm)、その
他の部分は最低2インチ(5cm)とする。
但しオイルパン、エキゾースト、ヘッダーなどは除く。
5.パラシュート
全ての競技クラスにおいて主催者が240km/h以上出るとさ
れたものはドラッグレーシング用パラシュート製造会社に
より作られたブレーキパラシュートをつけることを義務と
する。技術委員は、パラシュートの作動確認、パラシュー
トのひもの擦り切れ、ほつれ、またキャノピーの破れ、汚
れそしてパイロットシュートの擦り切れを検査することが
できる。
パラシュートケーブルの収容されたものはフレームチュー
ブにそのまま取り付けられるか、その他の適切な所にリリ
ースレバーより1インチ(2.54cm)以内に取り付けなければ
ならない。パラシュートのひもは、耐火素材で作られるこ
とを義務とする。ドラッグシュートは独立の取り付けがな
されていなければならない。
6.ローノレノミー
全てのロールバーは、ドライバーの頭から6インチ(15.24cm)
以内に設定しなければならない。またドライバーのヘルメ
ットから3インチ (7.6cm)以上の高さを延長でき、
ドライバーの肩幅もしくはドライバーのドアから1インチ
(2.54cm)でなければならない。スピン、衝突や不運な
場合を考えロールバーは前後左右につぶされないように補
強クロスプレースなどされていなければならない。全て
のロールバーは、ローカーボンスチールで作られた物が望
ましい。支柱は、全て同じ直径でロールバーの厚さも同じ
でなければならない。また、ロールバーの上部より5インチ
(12.7cm)以内でロールバーと交差しなければならない。
全ての溶接はベアリーク法で行わなければならない。
7.ロールケージ
全てのロールケージは、ドライバーと360.どの方向からも
守れるように作られていなければならない。ドライバーが
ドライビングポジションに着席したときロールケージは、
ヘルメットより3インチ(7.6cm)前になければならない。
サイドバーは、ドライバーの肩と肘の中間を通っていなけ
ればならず転倒の際にドライバーを自動車内に留めること
ができなければならない。全てのケージの骨組みは、その
設計にシートの支柱の為のクロスバーとショルダーハーネ
スとの接点にもクロスバーを取り入れられ、ドライバーの
肩より4インチ(10.2cm)以上低くてはならない。サイド支
柱との間4インチ(10.2cm)以内でなければならない。床に
取り外してある車両は、土台となる支柱を組み込まなくて
はならない。溶接方法は、ベアリーク法で行うこと。
①lOOJAF国内競技車両規則第5章ロールケージ参照
①使用するパイプの仕様
最低許される材質
最小引張強度
最小寸法
冷間引抜
継目無炭素鋼
350N/mm2
38mm X 2.5mm
または40mm X 2mm
これらの寸法は、これを下回ってはならない最小許容値であ
る。鋼材を選ぶにあたっては、鋼材は伸びが大きいことと、
溶接により欠陥を生じないものであることに特に注意を払わ
なくてはならない。なお、寸法測定のため曲げ部分、または
溶接部分から100mm以上離れた部分に直径4mmの穴を1ヶ所
あけ、その位置を黄ペイントで明示すること。すべての車両
にロールケージ(7点式以上)の装着を義務付ける。(但し、
単座席、2座席レーシングカーを除く)
第5条 タイヤ、ホイール
1.タイヤ
タイヤは、そのコンディション、空気圧などで視認で検査
される。全てのストリートタイヤは最低1.6mm以上の溝が
必要である。空気圧に関しては、メーカーで規定した値が
好ましい。
2.ホイール
ホイールカバーは外されていなければならない。脱着でき
るホイールカバーは全面禁止。競技車は、自動車用のホイ
ールで最低12インチ以上の直径があるものを使用しなけれ
ばならない。特別の記載がある場合は除く。
第6条 インテリア
1.運転席
ドライバーズコンパーメント内のインテリアパネル(防
火壁、床、ホイールタブ、ドアなど)はマグネシウム以
外のものでできていなければならない。
2.安全ベルト
安全ベルトはワンタッチ式フルハーネスタイプとして、材
質、取り付け方法などはJAF国内競技車両規則安全ベルト
規定に従い、4点式以上のもとする。T/F、 TA/FC、 T/GD
クラスは、5点式以上。
3.シート
全ての競技者のドライバーズシートは、事故などのときド
ライバーの背、肩を守るように設計され、取り付け装飾さ
れていなければならない。ドライバーズシートは、底、も
しくは底と後ろの部分でフレームまたはクロスメンバーに
支え取りつけられていなければならない。正しい方法で組
まれサポートされ作られたアルミまたはファイバーグラス
のシートの使用可能である。シートはシートバック(背)が
最低24インチ (60.96cm)なければならない。
4.ウインドーネット
ドア、ロールケージが付いている全ての車は、リボンタイ
プのウインドーネットをロールゲージのドライバーウィン
ドーのサイドバーの内側とトップバーの内側に備えること
が望ましい。ネットは、確実に止められていなければなら
ない。
5.配管及び配線
全ての配管、配線は暫定的なものであってはならず、グロ
メット、コネクター、クランプなどを含め充分安全性の高
いものにしなければならない。
第7条 ボディー
1.エアーフォイルウイング
ガス・ドラッグスタークラスのみ認める。確実なロッキン
グ装置により動かないようにすることを義務付ける。いか
なるパーツもタイヤより6インチ(15.24cm)以内にあって
はならない。スプリング付きのスボイラー、ウイングは禁
止する。走行中のエアーフォイル、ウイング、スボイラー
の修正は不可である。
2.フェンダー
ストック車両は、リアフェンダーのタイヤハウジングにそ
った部分をタイヤとの接触を避けるため2インチ(5.Ocm)
まで削ってよい。削ったエッジ部分は丸められ、生産車と
同一でなければならない。
外部のフェンダーラインを著しく広げたりしてはならな
い。フロントフェンダーのアーチは変更できない。
3.防火壁
競技車両は、メタルまたはファイバーグラスによる防火壁
を設置しなくてはならない。防火壁は完全にエンジンルー
ムを覆い隙間は全て鉄及びアルミ製のもので埋めなけれ
ばならない。最低0.032インチ (0.1mm)のアルミ、0.024イ
ンチ(0.06mm)のスチール。マグネシウムの使用は認めない。
4.フロアー
T/F、TA/FC、 T/GD以外のパイプフレームの車両は鉄板
かアルミニウムで作られた床を持っていなければならな
い。それは、ドライバーズコンパーメントの床面を覆い
その空間を形成しなければならない。ファイバーグラスか
他の壊れやすい素材でできている床は、金属のフロアーが
必要である。マグネシウムの使用は禁止する。
5.ウインドシールド
全ての車両のウインドシールドは、全面、側面、後面を含
3.4mm以上のアクリル板に変更することが望ましい。この
場合、全てストック形状とする。ただしガラスを取り付け
る場合は、全面ガラスは合わせガラス、それ以外のガラス
には、飛散防止対策を施さなければならない。
第8条 電装系
1.バッテリー
バッテリーの位置は車室内以外及び燃料タンクから隔離さ
れた場所ならぱ自由。車室内への取り付けは避けるべきで
あるが、バッテリーが隔壁等で完全に保護されている場合
は車室内へ取り付けを認める。取り付けは、金属製の止め
金が原則である。バッテリーは確実に固定され、ショート
漏電防止のため覆われていなければならない。
2.点火装置
競技車のイグニッションは、オン、オフスイッチが正常に
稼働すること。ドライバーの手の届く所でハンドブレーキ
と同じ側にカットオフバルブを取り付けなければならな
い。車外からの操作と連動は可。
3.燃料マスターカットオフ
クラス別に記載されているようにマスターカットオフの装
備は取り付けること。車外からの作動が可能な位置に電気
性カットオフを装備すること。バッテリー搭載車は、義
務付け。オフ状態は、o丘と表示する。スイッチの場所を明
確にすること。
4.キルスイッチ
イグニッションスイッチ及び燃料ポンプスイッチの位置が
確認できるように黄色.で明示すること。また運転席及び車
外から操作できるすべての回路を遮断する電気回路開閉装
置(メインスイッチ)を装着すること。その場所は外部か
ら容易に発見できる位置とし、赤色のスパークを青色の三
角形で囲んだ記号で標示すること。メインスイッチの車外
操作部はフロントウインド・シールドより全面でかつ運転
席の逆位置につけることが望ましい。
5.スターター
全ての車両がセルフスターティングでなければならない。
押し掛けは禁止。
6.テールライト
テールライトは装着しなぐてはならない。稼働に関しては
任意とする。
第9条 消火装置
内容量1個が4㎏以上の乾性の化学消火器または2kgX2を、速
やかに操作できる位置(車室内)に取り付けなければならない。
第10条 安全でない車両
改造及び付加物取り付けなどにより競技会技術委員長が安
全でない車両と判断した場合、その指示に従わなければな
らない。それに従わない場合は失格となる.